「強いタイトルほど読まれる」は本当か。42,061記事を同じ誌の中で比べてみた
42,061記事の誌内比較では、数字も【】も効いていませんでした
どうもぺんぎんです🐧
「読まれるには、タイトルを強くしなければ」と思っていませんか。
「最強」「完全」「知らないと損」。noteやXでは、そういう言葉が並んだタイトルをよく見ます。
本当にそうなのか、直近90日の日本語Substack 42,061記事(観測時点: 7月29日)で確かめてみました。
比べ方を先に説明します
いいね数をそのまま比べると、読者が多い誌が勝つだけの表になってしまいます。
たとえば別の媒体に大きなオーディエンスを持つ書き手の記事は、タイトルに関係なく多くのいいねが付きます。
そこで今回は、それぞれの記事を「同じ誌のふだんの反応」と比べました。
自分の誌の中央値の何倍のいいねが付いたか。この倍率なら、読者の数や扱うテーマの違いをまたいで比べられます。
結果: 効き目は「わずか」でした
ここでは、「いつもの2倍以上いいねが付いた記事」の割合を「跳ね率」と呼びます。
「いつも」とは、その誌のいいね数のちょうど真ん中(中央値)のことです。
強い言葉(炎上・最強・完全など)を含むタイトルの跳ね率は 19.7%。
含まないタイトルは 17.3% でした。
差はあります。ただ、2.4ポイント。「強くすれば読まれる」と言い切れる差ではありません。
むしろ意外だったのは、逆側です。
数字入りタイトル(「3つの方法」など): 跳ね率16.8%で、数字なし(17.6%)を下回りました
【】つきタイトル: 跳ね率14.9%。つけない記事(17.7%)より低いという結果でした
noteやXで定番の「数字と【】で目立たせる」は、少なくともいまの日本語Substackでは観測できませんでした。
効いていた要素はあるにはあって、タイトルの長さは21〜30字がいちばん跳ねやすい帯でした(跳ね率18.5%、10字以下は13.9%)。
ただし、正直に位置づけておきます。今回調べたタイトル要素は、どれも差が数ポイントの世界です。
反応の大半を決めているのは、タイトルではなく、書き手への信頼と記事の中身(そして読者の数)。タイトルにできるのは、良い記事の最後の数%を取りこぼさないことくらい、というのがこのデータのいちばん率直な読み方です。
ここからは仮説です
Substackの記事は、フィードで見知らぬ人に釣られて読まれるより、メールの受信箱で固定読者に開かれる割合が大きい媒体です。
だとすると、タイトルの仕事は「通行人を振り向かせること」ではなく、「いつもの読者に中身を正しく約束すること」なのかもしれません。
装飾で目立つ必要がない場所では、装飾は効かない。データはそう読めます。
今日できること
タイトルに悩む時間を、思い切って短くしてみてください。装飾(【】・盛った数字)を足しても跳ね率は上がっていないので、21〜30字で「誰に何が起きた話か」が伝わる文にしたら、そこで手を止めて大丈夫です。
浮いた時間は本文に使う。データが勧めているのは、そちらです。
なお、これは相関であって因果の証明ではありません。同じ誌の中での比較により読者規模とテーマの影響は除いていますが、「強い言葉を選ぶ書き手はそもそも作風が違う」といった要因までは分離できていません。
日本語Substackの観測データは substacker.net で毎日更新しています。
今後も、ここでしか聞けないSubstackにまつわるあれこれを投稿していきます。
ぜひご購読ください!

